私が今までの34年間で体得してきた人生の一番の(今のところ)極意を伝授しよう。それは「水のようであれ」ということである。「水は方円の如し」とかいう言葉があって、器によってどんな形にもなる。色を付ければ何色にもなり、熱くも冷たくもなる。高い所から低い所に流れ、何ものにも逆らわない。

勿論私は実践できていないがそうあるべきだということはいつも強く意識している。このことは具体的に以下のように置き換えることができると考えている。

「役者は演技をしてはいけない」これは勝新太郎がいっていたことで、似たようなことをアンソニー・ホプキンスもいっていた。つまり演技をしようとした段階で嘘っぽくなってしまうのである。最上の演技は演技をしないことである。

「話すように書け」ということもいえると思う。私は役者ではないので上の例は真理なのか判らない面もあるが、文章に関して、良い文章というのは淀みがなく、スラスラと読めて、1度読んだだけで内容が把握できて、なおかつ行間に余韻や間がありそこを想像する楽しみがあり、読み返すたびに新しい発見がある文章だと考えている。

勿論そういう文章は全然書けていないが、そうありたいとは常に思っている。

そしてこのことはトロンボーンの演奏にどう応用できるだろう?よく「音楽が聞こえてこない」という言い方をする。テクニックだけに走ったり、楽器の音しかしない場合に使う表現だ。

流れるように音楽が聞こえてくる演奏。いつになったら達することができるだろう。

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