最初に断っておくと私は貴乃花は好きではない。彼はエリートだし、何度も言っているように彼のコメントは面白くも何ともない。だから好きではない。しかし彼が大横綱であるということには異論はない。

皆さんはお忘れだろうか、ちょうど1年4ヶ月前「痛みに耐えてよく頑張った。感動した。おめでとう」と小泉首相から総理大臣杯を受けたのは他ならぬ貴乃花である。あの時は小泉フィーバーですっかり美味しいところを持っていった小泉首相であったが、本当にスポットライトを浴びるべきだったのは貴乃花である。

彼の右足がどれほどひどい状況だったかはその後のスポーツニュースで大々的に取り上げられたのでさほど相撲に興味がない人間でも知っているだろう。そしてまだ当時力の残っていた武蔵丸を破っての優勝である。これほど価値のある勝利はないだろう。

しかしその後の8場所の休場で彼の価値はすっかり落ちてしまった。

私は思うのである。彼のコメントは確かにつまらない。あの年齢にしては落ち着き払いすぎだし、中田やイチローから感じる妙に身構えてすかした感じがする。しかし彼の横綱としての資質を考えるとそれは何のマイナスにもならない。

横綱という重責を考えると彼くらいの落ち着きや重みの方が却って有り難みがあるとさえ思える。

繰り返す、私は彼が好きではない。

しかし私は彼を信用している。彼が何故引退しないのか?その理由は分からないが、例えどんな理由があるにしろ彼自身はきちんとした状態になれば復帰するし、その時ではなかったと彼が考えていたのだろう。

この日記は既に初日白星のあとに書いているものだが、私は昨晩の段階で初日彼が勝つことは分かっていた。彼が戻ってきたのは出来るから戻ってきたのだ。100%の状態ではないかも知れない。しかし彼は出来ると思ったから戻ってきたのであって、もし出来なければ引退していたと思う。

前例のないことだが彼は恐らくこの9場所ぶりの今場所で10勝以上は確実にするだろう。一部マスコミでは横綱なのだから12勝以上といっているようだが、私はその意地悪なマスコミを見返すだけの力を彼が見せてくれると信じている。

北の海、千代の富士、私はこの2大横綱を知っている。彼らの全盛期をテレビで見ていた。実績がどうこうではなくこの次に貴乃花が来る(時系列で)。

初日分は出来なかったがこれが私の予言である。