終末思想というのは今に始まったことではないが、ニュースを賑わしている白装束の集団はどうやら来月で人類の90%が死亡するなどといっているようだ。詳しいことをホームページで調べようと思ったのだが、つながらなかった。
第10惑星がどうとか、スカラー波とか電磁波とか宇宙と科学を絡めてさも尤もらしいことをいっているようだが、こうした思想は彗星が来るたびにいわれていることだし、世紀末になれば、つまり100年ごとに誰かが「人類は滅びる」といっている。
いうのは勝手だし、何を信じても構わないが、どうしてこんなに手垢の付いた焼き直しに何度も引っかかるのだろう。思想だから引っかかるというのはおかしいが、どうしてそんなことを信じることが出来るのだろう。
まぁ今回の騒動に関しては、電磁波がどうこういいながら車を使ったりしているところからも分かるように、大した根拠のあるものではないし、元々、わけの分からない輩が徒党を組むところに終末思想の終末たる所以があるのかもしれない。
尤も、公道を占拠しているという実害があるのは問題だが、あれはやはり、歪んだ現代社会の仕組みを端的に現しているような気がする。つまりやったもん勝ちなのだ。あれが独裁国家や共産国家なら、アッという間に軍隊の出動で、下手をすればその場で射殺されても文句は言えないだろう。
日本という国は、なるほど「ゆるゆる」の「ぬるい」国なのだ。あんな無法を行っているのだから、ブルドーザーでも持っていって強制退去させればいいのだし、もし立ちはだかるのならそれこそ殺してしまえばいいのだ。
昔公民の時間に習ったが、自由というのは一定の社会規制の上に存在し、責任が伴うものなのだ。法の執行に時間がかかり、日本という国が強制執行をためらう国であることに付け込んでやったもん勝ちの無法がまかり通るなら、誰も秩序など守らなくなる。
一番怖いのはこうした行為が報道されることにより、模倣するもの、尻馬に乗るものが増えることだ。彼らが断固たる処分を受ければいい抑止力になるのだが、現状では単に愉快犯的にああした行為が増えるのではないだろうか。
数ヶ月前に韓国で地下鉄の放火があったが、確かあの犯人は「一人で死ぬのがイヤだ」とかいってなかったろうか?
終末思想は結構だが、死ぬなら一人でひっそりと死んで欲しいものだ。