CDやデジタルの音源は人間の可聴範囲を超えた、高い音と低い音はカットしてあるということだ。
しかし、私は毎週生のオーケストラの音を聞いているので断言できるが、可聴範囲を超えた音だって人間には作用している。例えば振動となって皮膚や骨を揺さぶっているはずだ。
そういうものを、聞こえないからといってカットしてしまうのは合理的かもしれないが、間違っていると私は思う。
聞こえなくても振動はしている訳で、そういうものが雰囲気や人間の感覚に影響があるはずだ。
うちのオーケストラはお世辞にも綺麗な音は出ない。間違った音があちこちでなっていて、ある種のカオスを形成している。はもって美しい音が鳴ったことは、正直この8年間で1回もない。
それでも、私はこのオーケストラの音が好きだ。
人間が聞こえる音、聞こえない音、間違った音、でもこの音は間違いなく私たちにしか出せない音が出ている。何回でも書くが、うちのオケの音はベルリンフィルでも、ウィーンフィルでも出せない音だ。
何でも、合理的にすればいいってもんではないのだ。

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