何となく慌ただしい師走ではあるが、本当に慌ただしいのか自問してみる。

特にこの最後の10日間。編集者だった時はこの時期「正月進行」である。そんなせわしい月刊誌を作っていたわけではないが、それでもやはり正月休みの1週間というのは月刊誌などを作っているものにとっては大きい。お歳暮を配り終わったかと思うとアッと言う間に年末の挨拶である。仕事納めの日は挨拶回り、その数日前は仕事の合間に年賀状書きもある。

もちろん来年の段取りもしておかなくてはいけない。アッと言う間に1月10日はやってくるのだ。年末の10日、そして年始の10日は仕事をする者にとってあってなきが如しなのだ。

職を辞して以来2度目の年末である。つらつら考えるに別段何の予定もなくただ何となく「来年は」などと遠くへ目を向けているが、実際はその10日間で出来ることというのは多いのではないだろうか?

もし総務省指定の通り明日までに年賀状が出し終わっているなら、やらなくてはならないことというのはそうは多くないはずだ。日本の伝統に則っても大掃除とおせち作りくらいなもんで、クリスマスというイベントはあるもののそれぞれ1日ずつかかずらわっても、7日ある。

1日10km走れば70km走れる。1日10コ単語覚えれば100コ覚えられる。毎日1時間トロンボーンを吹けば7時間も練習出来る。

それを何となく、ああ忙しい、忙しいとバタバタしてみたり、来年はこんな年にと夢想してみたり、結局有意義には時間を過ごせていないような気がする。

独身の頃は仕事納めと同時にスキーに行ったりしていた。思えばああいる正月も久しくとっていない。そしてこれは毎年恒例だが実は私は25日を過ぎた辺りから年賀状に取りかかる。

一筆書きとか、殴り書きとか一部に大変不評を買っているが、私は年賀状くらいは直筆で、そして筆で書きたいと思っている。それを200枚近くやるので時間的な問題から「丁寧な挨拶文」などは書けていない。

今年はご多分に漏れずパソコンで作った年賀状にしてみようと思っている。最近はプリンターもそして年賀状の用紙もインクジェットプリンター専用が出ておりなかなかハイクオリティーなものが作れる。

決して手を抜く訳ではないが、今年はパソコン作成年賀状にした。但し宛名だけは手書きで行く。結局それに1週間を費やすことになるのだろう。たまには無駄も非効率もいいではないか。