「忍耐は涙と共に始まるが、最後には微笑する」フランス語のことわざだ。私は元々短気で忍耐なんか大嫌いな男だったが、20代の終わり頃に孫氏の兵法を読んで、中国人は1年や2年の単位で物事を考えないことを知って考え方が変わった。
多分孫氏の兵法を読んだ時期が良かったのだと思っている。いくら賢い私でもティーンエイジャーの頃に孫氏の兵法を(仮に)理解したとしても、時間を長いスパンで考えるということはできなかったろう。
10代の頃の1年は今よりもずっと長く感じたし、今でさえ1年後のことは分からないのに、あの頃は1年後のことなんて1世紀未来のことのように感じたものだった。
でも、今は違う。1年や2年で何か結果が出て形になることの方が少ないのだということを十分理解している。
例えば、邪魔な上司がいたとして15年前の私なら、すぐにいなくなってほしいと毎日イライラしていたろう。しかし今の私は違う。その上司が私より年上なら必ず私より先に会社からいなくなる。これは絶対的に決まっていることだ。だから我慢できる。
ほかのこともほとんどそんな風に考えられる。一生懸命頑張れば大抵のことは報われる。願いは強く思えば叶う。絶対に最後には微笑むことを信じて、今は忍耐しよう。